寒くなると毎年流行りだすインフルエンザ。
インフルエンザといえば治療薬は「タミフル」と、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
インフルエンザに効く薬はタミフル以外にもありますが、小さな子供が処方される薬は、タミフルのことが多いです。
そんなタミフルはどんな薬か、どのような効果があるのかまとめてみます。
インフルエンザの治療薬 タミフルってはどんな薬?
タミフルは、日本では2001年以降に保険適用になったインフルエンザの治療薬です。
いがいと最近の薬なんですね。
タミフルは、抗ウイルス剤で、インフルエンザウイルスの増殖を抑制する薬です。
カプセル錠剤とドライシロップがあり、インフルエンザA型B型、どちらにも効果があります。
インフルエンザの治療薬は、主に5種類ほどあるのですが、他は点滴薬や吸入薬なため、小さな子供の場合は上手に吸入でない可能性があることから、タミフルが処方されることが多くなっています。
タミフルは、インフルエンザの症状が出始めてから48時間以内に服用すると、インフルエンザウイルスの増殖を抑えてくれるとても効果が高い薬です。
逆にいうと、それ以降に飲んでも効果が極端に弱くなってしまいます。
つまり飲んでも効かないということです。
インフルエンザはただの風邪ではなく、インフルエンザウイルスに感染しているための症状なので、市販の風邪薬などでは治らないのですね。
また、インフルエンザは重症化すると、合併症なども起こしやすく危険もあります。
おもな合併症には気管支炎、中耳炎、肺炎、インフルエンザ脳症などがあります。
特に子供は身体が小さく抵抗力がないので、合併症を避けるためにも、できるだけ早期な対処が必要です。
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子供のインフルエンザでタミフルは実際どんな効力がある?

インフルエンザになると、高熱が続くことが特徴として挙げられますが、ウイルスが身体の中で暴れている間は、体内に免疫ができるまではずっと高熱が続いてしまいます。
高熱は、平均してだいたい4日間ほど続くのですが、インフルエンザを発症してから48時間以内にタミフルを服用すれば、子供の場合は早ければ、1日~2日で熱が下がります。
また、服用しないで対処療法によって熱が下がった時は、その後に身体のだるさが長く続いたりすることが多いのですが、タミフルを服用した場合は、熱が下がったのと同時に体調が復活し、身体のだるさも無く戻ることがほとんどです。
インフルエンザは風邪薬や抗生物質では全く効果がないので効きません。
解熱剤や点滴などの対処療法は、一見効果があるように見えますが、インフルエンザウイルスの増殖を防ぐ直接の治療とはなってはいません。
今ある高熱を解熱剤で下げたり、点滴をして少しでも体力を上げようとしても、結局は子供自身の体力と免疫力がどれほどなのか次第で、回復するのを待つことになります。
そうすると、長期の治療となって子供の体力を奪ってしまいますし、感染症のリスクを高める事にもつながるので、できるだけ早めに病院へ行き、適切な治療をすることが望ましいでしょう。
また、処方されたタミフルは、最後まで使い切りましょうと必ず言われます。
なぜかというと、インフルエンザの症状が無くなったとしても、ウイルスがまだ身体の中に残っているので、ウイルスが増殖をしないようにするためにも、最後まで服用する必要があるためです。
もし服用して、なにか少しでも変だと感じたり、おかしいなと思うようなことがあるなら、すぐにかかりつけの先生へ相談するようにしましょう。
タミフルを服用した子供の副作用は?
タミフルの主な副作用として報告されているのは、
「下痢」「吐き気」「嘔吐」「腹痛」「低体温」「発疹」などです。
子供に対してタミフルの副作用が多いイメージがありますが、実際にインフルエンザにかかるのは、子どもが圧倒的に多いこともあり、必ずしも子供だから出やすいわけではなく、薬を使用している割合が、全体として子供が高いため、その分副作用が出ている確率も高くなっているためのようです。
また副作用として「頭痛」が起きることがありますが、まれな副作用なので「タミフルを服用した直後に頭が痛くなる」ような場合は、すぐに医師へ報告し相談した方がいいでしょう。
●タミフルとインフルエンザ脳炎、異常行動の因果関係について
インフルエンザ脳症はインフルエンザの合併症のひとつです。
インフルエンザウイルスに感染したことで免疫異常が起こり、脳内の働きに異常がみられる症状のことです。
高熱や関節痛などの一般的な症状のほかに、意識障害や数分間続くけいれんなどがあり、また、幻視や幻覚、幻聴などによるおかしな言動などの異常行動が現れることがあります。
そのようなおかしな行動が、特に子供に見受けられることが報告されて、タミフルとの因果関係を疑われ、メディアでも大きく報道されたことがあります。
タミフルと異常行動の因果関係を調べた結果は、明確にタミフルが原因であるとは見つけられない、という回答でした。
インフルエンザになった子供が、タミフルを服用している場合もしていない場合も、どちらにも同じような事例があるためのようです。
異常行動の原因はタミフルではなく、インフルエンザによるものであると結論付けられ現在に至っています。
そのような症状の全般は、インフルエンザで熱が出た直後、数時間から1日の間に現れることがほとんどだといわれているので、そのような合併症を起こさないためにも、早期の治療が大切です。
タミフルを処方したかどうかにかかわらず、子供が高熱を出した時には、異常行動を起こす恐れがあると念頭において、高熱から2日間は、なるべく子供を1人にしないように、大人が側で見守るようにしましょう。
まとめ
寒い時期はどうしてもインフルエンザが流行するので、いろいろと対応しなければいけないことが多いですし、気になることも多いですが、タミフルを必要以上に恐れる必要はありません。
インフルエンザそのものからの影響でもいろいろな症状がありますので、医師の適切な指示に従い、早期治療を心掛けましょうね。
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