授乳中にインフルエンザに感染してしまった時に赤ちゃんの一番近くにいるのがママです。
インフルエンザが母乳から赤ちゃんにうつってしまうのか心配になりますよね。
また、早く治すためにも薬の服用が望ましいですが、母乳育児を続けて良いのかも気になるのではないでしょうか。
授乳中のママがインフルエンザに感染してしまった時の、母乳への影響と感染経路などをまとめます。
授乳中にインフルエンザに感染したら母乳への影響は?
出産後の授乳期間中は、まだまだ出産のダメージが身体に残っています。
また、母乳を作り続けるための体力を余分に使っているのに加えて、授乳中は、睡眠不足や過度の疲労が重なるので、免疫力が落ちやすく、風邪や感染症などのインフルエンザにもかかりやすい状態です。
授乳中であるママがインフルエンザに感染してしまっても、母乳から赤ちゃんにインフルエンザが感染することはありません。
インフルエンザウイルスは、喉の粘膜(気道の上皮細胞)にくっついて増殖してゆきます。
そして母乳は、血液から作られています。
インフルエンザウイルスが血液中に入り込むことは極めてまれなので、母乳からインフルエンザが感染することはないと考えられています。
ですので安心してくださいね。
インフルエンザが赤ちゃんへ感染する経路は?
ママがインフルエンザになった場合、赤ちゃんにうつる可能性が高くなります。
ママから赤ちゃんへの感染経路は主に2つあり、飛沫(ひまつ)感染と接触感染です。
①インフルエンザウイルスに感染している人が、咳やくしゃみをすることで、ウイルスを含んだ唾液などが周りに飛び散り、周りにいる人の鼻や口からウイルスを吸い込むことによってうつるのが「飛沫感染」
②せきやくしゃみをした際にウイルスが付いた手でモノに触れると、その場所にウイルスが残ります。さらにその場所に触れた人の手を通じて、人の鼻や口からウイルスが入ることで感染してしまうのが「接触感染」
インフルエンザに感染すると、発病する1~2日前あたりから、すでに唾液や鼻汁にウイルスが含まれています。
飛沫感染は、半径1.5メートルの距離の人に感染の可能性があるといわれているので、インフルエンザに感染した人が赤ちゃんの側にいれば、当然ウイルスが赤ちゃんへ侵入する可能性が高くなります。
また接触感染も、ママの手や服などについたウイルスが、赤ちゃんに接触することは十分に考えられるので、 授乳の際には十分注意が必要です。
生後6か月までの赤ちゃんは、ママから受け継がれた免疫力に守られているといわれますが、免疫は万能ではありません。
特にインフルエンザウイルスは、毎年少しずつ形を変えながら変異を繰り返しているウイルスなので、ママが過去にインフルエンザにかかっていたとしても、今かかっているウイルスが同じ型のインフルエンザウイルスとは限りません。
全くかかったことのないインフルエンザウイルスである場合は、母体から赤ちゃんへ免疫はついていません。
2歳くらいまでの赤ちゃんは、感染には弱いのが普通なので、できるだけ感染しない環境を整えてあげることが大切です。
タミフルを服用して母乳への影響はある?
インフルエンザに感染すると、タミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬を使用して治療をする必要があります。
インフルエンザはただの風邪ではないので、抗インフルエンザ薬である、タミフルやリレンザ、イナビルなどの治療薬でウイルスの増殖を抑える必要があります。
気になるのが母乳への影響ですね。
飲んだ薬は母乳を通して赤ちゃんへ移行するのでしょうか。
タミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬を使用した母親の母乳には、その薬剤がごく微量ですが含まれています。製薬会社によるタミフル及びリレンザの説明書には「授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること」と記載されていますが、欧米では、「母乳中への移行はわずかで、タミフルの1歳未満への投与量に満たない」とのデータを根拠に授乳の継続は可能としています。
~厚生労働省科学研究より引用~
薬を飲んでいるからといって、必ず母乳を諦める必要はありませんし、あげ続けても大丈夫です。
ですが、無理をする必要もないと個人的には考えています。
インフルエンザにかかっている間は、ママも身体が辛いでしょうし、赤ちゃんへの感染も気になるはずです。
母乳を上げることに抵抗があるのであれば、その間はミルクにしてもいいでしょうし、授乳も他の家族に変わってもらってもいいと思います。
きちんと薬を飲んで治療すれば、1週間程度で完治するはずなので、母乳は搾乳をしながら、治るまで待つも良いのではないでしょうか。
インフルエンザになったから、薬を飲んだからといって、完全に母乳を断ってしまう必要はありません。
母乳は粉ミルクに比べて、とても栄養価が優れていることが母乳の研究からたくさん分かってきています。
感染症の予防や免疫の効果、また神経の発達を促すための優れた効果などが、科学的に証明されてきています。
ですので、インフルエンザになってしまったからといって、すぐに母乳をやめてしまうと、ホルモンの変化が起こるなどの理由で、また母乳を再開することはとても難しくなります。
熱で授乳することが辛い場合だけでもは、他の人に与えてもらうなど、違う方法で与えるようにしてのりきりましょうね。
赤ちゃんへインフルエンザを二次感染させないための方法
ママだけではなく、家族全員が意識して注意する必要があります。
・手洗いとうがい
ウイルスの除去のためには、こまめに石鹸で洗います。
指の間やつめの間も丁寧に洗うようにしましょう。
・アルコール消毒での拭き掃除
ウイルスは、モノの表面で8~12時間の間、感染力を保っているため、ドアノブやイス、テーブル、リモコンなどこまめに拭き掃除をしましょう。
・感染している人はマスクの着用
飛沫感染を防ぐには必需品です。
また、感染者の口や鼻を拭いたティッシュをゴミ箱にそのまま放置しておかないようにしましょう。
ビニール袋などに入れて捨てるようにすると衛生的です。
また、衣類やタオルの洗濯は、いつもと同じで大丈夫です。
インフルエンザウイルスは、洗剤や石けん、アルコール消毒液で感染力を失います。
感染者の洗濯ものを別に洗ったりする必要はありません。
まとめ
もしインフルエンザが疑われるときは、赤ちゃんへ感染させないためにも、できるだけ早めに病院へ受診して適切な治療を受けるようにしましょう。
また、家族や親しい人の助けを得られるように早めに連絡をしておくと安心ですね。
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