高校受験での内申点の出し方は、都道府県によって算出方法が異なっています。
対象の学年についても都道府県によって違いがあるので、把握しておく必要がありますね。
神奈川県の公立高校の内申点が対象となる学年と学期と出し方を解説します。
また、神奈川県の公立高校の入試システムや特色検査についてもまとめましたので参考にしてください。
神奈川県の内申点の出し方 計算方法とは?
神奈川県の公立高校の入試での対象となる内申は、「中2の3学期」と「中3の2学期」の内申です。
そして「中3の2学期は2倍」にして合計とします。
中学校の教科は「国語」「算数」「英語」「理科」「社会」の主要5科目と、
「美術」「技術家庭科」「保健体育」「音楽」の技能・実技教科の4科目の、計9科目です。
オール5の成績の場合、9教科×5=45点が通常の満点ですが、神奈川県の場合、
45点(中2の3学期)+45点×2(中3の2学期)=135点
つまり「135点満点」です。
神奈川県の内申は、中2の3学期の内申がかかわってくる、ということが特徴です。
神奈川県立高校の入試の選考方法とポイント
神奈川県立高校の入試の特徴は、学力検査は1回だけ行われますが、合格者の判定は、1次選考と2次選考の「2回」に分けて行われるということです。
試験当日には全員が「学力検査」と「面接」が行われます。
学力テストは「国語」「数学」「理科」「社会」「英語」の5教科です。
1教科100点満点の計500点満点です。
学力向上進学重点校になっている学校では、プラス「特色検査」という学力検査が追加で実施されます。
第1次選考では「内申」「学力検査」「面接」の3項目を総合判定として評価して「定員の90%」の合格者を決定します。
2次選考では残りの10%を、内申を除いて「学力検査」と「面接」のみの評価で合格者を決定します。
〇神奈川県の入試の特徴
◆1次選考
「内申」+「学力検査」+「面接」(+「特色検査」)で選考⇒定員の90%の合格を決定
◆2次選考
「学力検査」+「面接」(+「特色検査」)で選考⇒定員の10%の合格を決定
- 一回の当日の試験の結果で、2段階の選考を行う
- 1次選考と2次選考では選考基準が違う
神奈川県の内申と学力試験の比率とは
神奈川県の場合、内申と学力検査、面接の比率は、各高校によって異なっています。
東京都などは一律ですが、神奈川県は一律ではないのです。
比較的多い比率は、
内申:学力検査:面接
3 : 5 : 2 ⇒300点+300点+200点=1000点満点
内申:学力検査:面接
4 : 4 : 2 ⇒400点+400点+200点=1000点満点。
特色検査がある学校の場合は、それぞれ100点や200点がプラスされるので、1100点や1200点満点となります。
面接
受験する高校へ「入学願書」と同時に「面接シート」を提出します。
この面接シートというのは、簡単に言うと自己PR文のようなものです。
書く内容は、
- 志望理由
- 中学での学習の意欲
- 教科以外の活動に対する意欲
- 高校へ入学後の意欲
- 自分の長所
などを記載します。
面接は試験管2名以上で行われ、10分程度の質疑応答があります。
神奈川県公立高校 特色検査の特徴と実施校
特色検査とは、1次試験で実施される学力検査で「学力向上進学重点校に指定」された高校で2013年度から実施されています。
つまり神奈川県内の公立高校の進学校では、5教科以外にも6教科目ともいわれるテストが行われていて、それが「特色検査」というものです。
現在の学力向上進学重点校は4校あります。
横浜翠嵐、湘南、柏陽、厚木高校の4校です。
そして新たに学力向上進学重点校にエントリーした高校が13校あります。
エントリー校はあくまでエントリー校であって、現時点では進学重点校ではありません。
県に対して高校側が重点校にしてほしいと立候補した高校で、学力向上進学重点校を目指す学校です。
実際に進学重点校になるかどうかは今後決まってきますが、受験生にとって重要なのは、今後はエントリー校もすべて、特色検査が実施されるということです。
今までの特色検査の問題は、各高校によって独自で作られていた問題だったのですが、2019年度、平成31年度の入試からは、県の教育委員会が作成する共通の特色検査問題が導入されます。
2019年度からこの共通問題が導入されるのですが、新たにエントリーした13校のうち、希望ヶ丘、横須賀、平塚江南の3校は2019年度から特色検査が実施されます。
ですので、横浜翠嵐、湘南、柏陽、厚木高校同様、共通の特色検査問題で実施されます。
2020年度からは、他の10校も特色検査を実施するため、現中2生は試験対策が必要となりますので注意しましょう。
◆2019年度(平成31年度)特色検査実施校(現中3生)
横浜翠嵐、湘南、柏陽、厚木(学力向上進学重点校)/4校
希望ヶ丘、横須賀、平塚江南(学力向上進学重点校エントリー校)/3校
◆2020年度(平成32年度)から特色検査実施される高校(現中2生)
川和、多摩、光陵、茅ヶ崎北陵、小田原、相模原、横浜平沼、横浜緑ヶ丘、鎌倉、大和/10校
まとめ
2019年度の選考基準では、内申を4割との選考基準とする高校が多くなってきています。
中学での学校生活や学習の記録を見る高校が増えているのでしょう。
学校を選ぶとき、比率が合否に大きく影響する可能性があるので、自分に合った比率の学校を選ぶことが大切です。
元々の内申が高いのであれば、内申の比率が高めの高校を選ぶほうが有利ですし、ゆとりをもって当日の試験にも臨めるでしょう。
また、内申が低めでも試験や模試では点数を取れる実力型なら、学力検査の比率が高い高校を選ぶほうが合格を勝ち取れる可能性が高くなるでしょう。
神奈川県の試験は記述式の問題も多く、思考力や判断力を測る難しい問題も多いのが特徴です。
内申重視の高校が増えているとはいえ、当日の試験の結果次第では合否が分かれる可能性がありますので、しっかりと準備をして臨むようにしたいですね。