お歳暮は、日頃お世話になった方へ一年間の感謝の気持ちを伝える贈り物です。
贈りものを何にするか、相手の好みに合わせて選ぶことはもちろん大切ですが、品物を贈るだけではなく、贈りものと共に、感謝の気持ちを「送り状」として添えることが必要な場合もあるでしょう。
しかし、送り状にはどのような内容の文章を書けばいいのでしょうか。
お歳暮の送り状の書き方と文例をご紹介します。
お歳暮 送り状は必要?
お歳暮を贈る際、挨拶文となる送り状は、必ずつけなければいけないかどうか疑問に感じるかもしれません。
マナーとしては送り状は「必要」です。
しかし、今は必ず送り状が必要かというと、そうでもありません。送り状が必要かどうかは、相手との関係にもよります。
今は昔と違い、贈りあう相手が必ずしも目上の方へ贈るだけに限らなくなり、「お世話になっている方」の意味の範囲がとても広がってきています。
「日ごろ迷惑をかけているからお礼に贈ろう」などの理由から、同僚など、上下関係に縛られない同等の相手同士で贈りあうことも多く、だいぶ多様化してきています。
また、宅急便で贈られることが大半を占めるようになったことも影響しているのかもしれませんが、挨拶文などの送り状は、付いていないことも多くなっており、形式的な送り状を省いている方が増えているのも現状です。
しかし「目上の方」や「形式を重んじる方」また「個人的にとてもお世話になっている方」や「今後もお世話になる方」などには、マナーどおり、送り状を差し上げたほうがいいでしょう。
送り状の書き方と送る時期
お歳暮の送り状の書き方は、パソコンなどでプリントが出来ますが、感謝の気持ちを伝える文章なので、できれば「手書き」で書くほうが気持ちが伝わりますし、好ましいでしょう。
また、「封書」と「はがき」どちらが良いのか悩むかもしれません。
親しい方や、相手に気を使わせたくない場合は「はがき」で問題ありません。
逆にいえば、現在は送り状をはがきにする人が大半になっています。
封書の堅苦しいイメージよりも、手軽な印象のはがきを好む人が多いのでしょう。
しかし「目上の方」など敬意を表す必要のある方、または、「特にお世話になった方」などの場合は「封書」のほうが個人的には好ましいと感じます。
送る時期は「品物が届くのと同じ頃」か、それよりも「少し早く届くようにする」のが好ましいので、品物を贈るよりも前に事前に用意をしておいて、品物を贈る当日か翌日には、ポストへ投函するようにするといいでしょう。
はがき
「はがき」は、無地のはがきに限らず、絵柄があっても大丈夫です。
花や季節の風景などですと、やわらかい雰囲気が気持ちが伝わり安い感じがして、個人的にはおすすめです。
封書
書き方は、縦書きでも横書きでも、どちらでも構いませんので、書きやすいほうで選びましょう。
「封書」は、「二重封筒」を使用します。
また、はがきと同じく無地のものでなく「絵柄」があって構いません。
ただ、便せんと封筒は別々ではなく「同じシリーズ」のものを選ぶようにしましょう。
切手は、82円切手でを貼りますが、80円+2円などにはせず「一枚の普通切手」を使用しましょう。
お歳暮 送り状の文章の基本構成
送り状は、一般的な手紙の構成で書くようにします。
親しい間柄の方の場合でも、時候の挨拶は欠かせませんので同じです。
①時候のあいさつ
②相手への感謝の気持ち
③贈り物について
④末文・結語
⑤日付・著名
1、まず時候の挨拶からはじめます。
2、お相手の健康などを気遣い、一年の感謝に結びつく形で自身の近況を書きます。
3、そして、感謝の言葉と贈りものを贈ったことを書きます。
4、最後は末文の挨拶で締めます。
親しい間柄の場合は「拝啓、敬具」を省略してもいいでしょう。
お歳暮「送り状」の文例
親しい相手への送り状
○○様
師走を迎え、何かと気忙しい毎日ですが、ご家族の皆様にはお変わりございませんか。
おかげ様で、こちらも一同、皆元気に過ごしています。
本日は、日頃の御礼と歳末のご挨拶代わりに、○○を別便にてお送りしました。心ばかりの品物ではございますが、ご笑納いただければ幸いです。
寒い日が続きますが、どうかお身体を大切に、皆様おそろいで輝かしい新年をお迎えください。
まずは歳末のごあいさつまで。
平成○年○月○日
○○(署名)
恩師など目上の人向けの送り状
拝啓
いよいよ年の瀬も押し迫り、寒さも一段と厳しさを増してまいりました。
○○様にはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
日頃は、公私に亘り多大なるご配慮にあずかり、心より御礼申し上げます。
本年の言葉に尽くせぬ感謝の気持ちを込めまして、心ばかりの品を別便にてお送りいたしましたので、ご笑納いただければ幸甚に存じます。
ご家族の皆様おそろいで幸多き新年を迎えられますようお祈り申し上げますとともに、来年も変わらぬご指導の程、宜しくお願い申し上げます。
略儀ながら、書中をもちまして歳末のご挨拶申し上げます。
敬具
平成○年○月○日
○○(署名)
ビジネスでの送り状
謹啓
師走の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は、格段のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
この一年、無事に事業を展開させることができましたのも、ひとえに、貴社をはじめ、皆様方のご支援ご助力の賜物と存じ、深く感謝いたしております。
つきましては、本年、多大なるご厚誼ご鞭撻を賜りました御礼と、歳末のご挨拶を兼ねまして、ささやかな品をお送りいたしました。
ご笑納いただければ幸いに存じます。
年末ご多忙の折、皆様には何卒ご自愛の上、幸多き新年を迎えられますよう祈念いたしております。
来年も、ご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。
敬白
平成○年○月○日
○○(署名)
まとめ
お歳暮は品物を贈るだけではなく、お礼状で言葉で感謝の気持ちを伝えることが大切です。
今は、メールやLINEなどで済ませることも多いので、なかなか難しいと感じるかもしれませんね。
送り状の形式はほとんど決まっていますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
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